ダンボール工作でWフルートを使うときに活用できる、ダンボール板の丈夫な接ぎ方をご紹介します。
Wフルートは、Bフルート(3mm厚)とAフルート(5mm厚)を貼り合わせた2層構造になっているダンボールです。
サイズにもよりますが、箱状のものをつくるときに、大変丈夫なものを作ることができます。
以下、木工の技法として昔から知られる接ぎ方に対して、それに近いものの呼び方を流用し、ダンボール板の接ぎ方を紹介していきます。
目次
平接ぎ
これはこれまでの記事でも紹介してきました。
この記事はAフルートでの例ですが、Wフルートでも同じです。
まず、2枚のダンボール板を平接ぎした写真です。上の写真が接ぐ前、下の写真が接いだあとの写真です。(以下、同じ)
続いて、部材の一方の表ライナーを伸ばし、継ぎ目が角にくるようにした接ぎ方です。
これは、ライナーで相手の部材の切り口を隠すことも兼ねています。
Wフルートは8mmの厚みがあるので、この接ぎ方でも強度が結構見込めます。
大入れ接ぎ(追い入れ接ぎ)
大入れ接ぎは、一方の部材に溝を掘り、他方の部材をはめ込む加工方法です。
Wフルートは、表ライナー側にBフルート(3mm厚)、裏ライナー側にAフルート(5mm厚)という構造になっているので、通常はこの5mm厚の方に溝を掘ることになります。
溝の掘り方は簡単です。カッターで溝の両側の線に沿って、裏ライナーと5mm厚の中芯のみに切り目を入れ、ピンセットでその部分を丁寧にはがします。
カッターの切り目を入れるときに力加減が必要ですが、慣れれば簡単です。
肩付き大入れ接ぎ(肩付き追い入れ接ぎ)
大入れ接ぎは、一方の部材に端から端まで溝を掘りますが、肩付き大入れ接ぎは、端の部分は溝を掘らずに残します。
作品として目に見えるところの見栄えをよくするためです。
接いだところを正面からみると、溝の切り目が見えず、平接ぎと同じような見え方になります。
含み打ち付け接ぎ
木工で引き出しを作る時に、前板と側板をつなげるところで使用されることが多い接ぎ方のようです。
木工では釘などを打って強度をあげますが、ダンボール板ではもちろん木工ボンドなど接着剤のみで接ぎます。
これも同じく、ダンボール板の特性を利用し、一方の部材の表ライナーを伸ばして、接ぎ目が角のところにくるように変えたのが以下です。
擦れに対する耐性には弱くなるとは思いますが、角の部分を外側からみると留め継ぎと同じになり、見た目はとてもすっきりします。
片胴付き大入れ接ぎ(片胴付き追い入れ接ぎ)
これも、木工では引き出しや高級な小箱の木組みで使用されることが多い接ぎ方です。
この例では表ライナー側の3mm幅の部分を差し込むので、掘る溝の幅は3mm幅です。
目に見える切り口の部分を表ライナーで包んでいますが、この接ぎ方ではこの作業に少し手間がかかります。
肩付き片胴付き大入れ接ぎ(肩付き片胴付き追い入れ接ぎ)
これは、肩付き大入れ接ぎと同様です。
片胴付き大入れ接ぎも、一方の部材に端から端まで溝を掘りますが、肩付き片胴付き大入れ接ぎは、やはり端の部分は溝を掘らずに残します。
仕上がりは平接ぎと同じような見え方になります。