ダンボール工作で、ダンボール板どうしを直角に貼り合わせることはよくあります。
しかし、5mmや8mmの厚みがあるダンボールでも、一方のダンボールの切り口をそのままもう一方のダンボールの面に貼り付けるのは、強度的にちょっと心もとないと思うことがあるでしょう。
ダンボールは、中がほぼ空洞で、接着面積が少ないからです。
特に、切り口が紙幅方向である場合はなおさらで、2枚のライナーだけしか接着面がとれないことがあります。
そこで、切り口の部分のライナーを少し長くのばしておいて、それを糊代として使用することを考えます。
目次
表ライナーを糊代として使う
これまでいくつかの記事で紹介してきましたが、例として、以下の「反転フラップ式の発車票」を作る工程で撮影した画像を使って説明します。
まず、直角に貼り合わせたい2枚のダンボール板を用意します。いずれも5mm厚のダンボール板を例にあげます。
上記の写真で、左側の穴があいたダンボール板の切り口の部分を、右側のダンボール板の端に直角に貼り付けます。
左側のダンボール板の右辺部分は、表ライナーを5mm程度長くとり、裏ライナーと中芯をはがしてあります。
この5mmの部分を糊代とするわけです。
この糊代部分を、裏ライナー側に向けて直角に折っておきます。
右側のダンボール板の左辺部分は、これも同じくライナーを5mm程度長くとり、裏ライナーと中芯をはがしてあります。
ここも糊代にします。こちらは直角におらず、そのままにしておきます。
ここまで準備できたら、両者を貼り合わせます。
上記の写真のように、丸い穴をあけたダンボール板の方の糊代に、右側のダンボール板の糊代を重ねます。
上記の写真ではまだ木工ボンドは塗っていません。
重ね方を確認したら、木工ボンドを塗り、糊代部分を正確に貼り合わせます。
木工ボンドは、表ライナーどうしの接着部分のほか、接断面と裏ライナーなど、両者が直角に接している面などにも塗ります。
なお、木工ボンドは薄く塗るのがコツです。多く塗ると木工ボンドがはみ出してしまい、仕上がりが悪くなります。
貼り合わせたら、ある程度固まるまで、しばらく手で持って固定しておきます。
これできれいに貼れました。
以下の「反転フラップ式の発車票」を作る記事で、制作過程の動画を紹介していますが、この中で撮影していますので参考にしてみてください。
また、写真は省略しますが、この例で丸い穴があいた方のダンボール板を、別のダンボール板の(端ではなく)中のほうに貼り付ける場合は、ライナーに直接貼り付けるか、溝を掘って組むのがよいです。
溝を掘って組む方法は、例えば以下の記事など紹介していますので、参考にしてみてください。8mm厚のWフルートを使う場合におすすめです。
箱の天板を貼るときに応用する
箱状のものを作るときに、その天板と側板を貼り付けることになりますが、その場合もこの方法でつくると、仕上がりもきれいでおすすめです。
「ダンボール工作:印籠箱を作る」の記事ので、蓋を作るところが例です。
この記事の中で、蓋の部分の作り方を書いていますが、
このように天板の四辺に、表ライナーを糊代にして貼り付けます。
仕上がりは以下のようになりました。
丈夫に貼りつけられますし、ぴったりの寸法で貼り付けられると、なかなかいい仕上がりになると思います。
曲面をもつ形の天板を貼るときに応用する
曲面をもつ箱状の作品の天板を貼るときにも同じです。
上の写真のように、側板の形に合わせて、側板の幅の分だけ表ライナーを剥がしておきます。
側板の方は、曲面の部分があるので、糊代にする表ライナーの残し方を工夫しなければなりませんが、本質的には同じです。
ぜひ試してみてください。