このサイトでは、ダンボール板を組み合わせていろいろな作品を作りますが、ダンボール板の継ぎ目の部分の見栄えが気になる方もおられると思います。
作品をなるべくきれいに仕上げるためには、ダンボール板の切断面をうまく隠したいところです。
そのための方法の一つとして、表ライナーを切断せずに加工し、その表ライナーを利用して切断面を隠す方法について書きます。
加工が少し面倒ですし、慣れが必要ですが、よい感じに仕上がるので試してみてください。
目次
木工で木の小箱を機械生産するときの例
少し話がそれますが、木工で木の小箱を作るときの話を例にあげます。
具体的な作り方だけ知りたい方は読み飛ばしてください。
木工では、木の板や角材を継ぐ時に、木口を隠すように加工することがよくあります。
これを留接ぎといいます。
留継ぎにも色々な種類がありますが、簡単に言うと、木口を互いに45度に切断して接ぎ合わせるということです。
留継ぎは高い加工精度が必要ですが、職人はこれを鉋や鑿、そして昇降機やルーターを使って、ぴったり合うように加工します。
一方、このような小箱を機械で大量生産するときには、ルーターを使って以下のようにV字の溝(底の角度は90度)の溝を掘り、ここを折り曲げるという加工をすることがあります。
これだと、同じ加工を繰り返すだけですし、組み立ても簡単です。
見栄えとしては、留め継ぎになる上に、薄い木の皮で角が被われるようになり、きれいです。
ダンボール工作に応用する
それでは、上記の加工をダンボールでやってみることを考えてみましょう。
しかし、同じようなV字の溝を掘るのは、専用の道具でもない限り難しいです。
そこで、それに代わる掘り方で同じような効果を狙ってみます。
ダンボール板は5mm厚のAフルートを使います。
そして、折り曲げるところで5mmの溝を掘るのです。
掘り方は、まず裏ライナーに5mm幅の線を罫書き、カッターでこの線に沿って切り込みをいれます。
この時、裏ライナーと中芯だけを切るようにします。表ライナーは切らないように力を加減します。
切り込みを入れたら、ピンセットで裏ライナーと中芯だけを剥がします。
すべて剥がすと、以下のようになります。
溝掘りはこれで完成です。あとは溝の端のところで折り曲げます。
一度表ライナー側に折り曲げて、折り線をつけるときれいに折れます。
折り線をつけたら、木工ボンドを塗って接着します。
試作結果
仕上がりはこんな感じです。
いかがでしょうか?ダンボール板の切断面がきれいに隠れました。
折り曲げた内側のところも、何もせず折り曲げるより、直角に曲げられます。
溝を掘る方向は、流れ方向の方がきれいに掘れますが紙巾方向でもできます。
ちょっと慣れが必要な加工ですが、小箱を作るときの側面の加工などで、いろいろ試してみてください。