このサイトで紹介している作品では、ダンボール板の表ライナーを折り曲げる処理がたくさん出てきますが、この処理をきれいに行うコツがあります。
紙工作の基本ですので、ダンボール工作以外でも活用できます。
目次
折り線に沿って浅い切り目を入れる
コツといっても大したことではありません。
- 折り線に沿って浅い切り目を入れる
というだけです。
このサイトで紹介している作品では、ダンボール板の裏ライナーと中芯を剥がして、表ライナーの部分を折り曲げる処理を行うものが多いです。
この表ライナーは、私の手元にあるダンボール板で約0.2〜0.3mmくらいあります。詳細は省きますが、K5というランクのダンボール板です。
このくらいの厚みの紙でも、そのまま折り曲げようとすると、たとえ定規をあてても折り曲げた角の部分がきれいに直角にならないことがあります。
(写真はボンドでの貼り付けまで終わった状態)
写真ではわかりにくいですが、角がところどころ丸まったような形になってしまいます。
これを避けるために、一般に少し厚めの紙を折るときと同様に、カッターなどで折り線に沿って「浅い切り目」を入れます。
上の写真では見づらいかもしれませんが、表ライナー部分の裏側に2本の「浅い切り目」を入れています。
そして、これを折り曲げると
(写真は同じくボンドでの貼り付けまで終わった状態)
これも写真ではわかりにくいですが、角がすっきりと折れ曲がります。
たったこれだけですが、作品の仕上がりにも大きく影響するので、ぜひやってみてください。
浅い切り目を入れる深さの加減は「慣れ」です。
私は、折り線に浅い切り目を入れる時にカッターナイフを使っていますが、力を加減して、浅く切り目を入れています。
力を入れすぎると、表ライナーを切り裂いてしまいますので、注意が必要です。
この加減はさすがに慣れるしかありません。浅いときれいな折り目がつきませんし、深いと強度が弱くなったり曲げた時に切れてしまいます。
感覚的には厚みの1/3くらいまででしょうか。カッターを押しつけず、カッター本体の重みだけを使う感覚で、軽く切り筋をつけます。
浅い切り目を入れる道具
ちなみに、浅い切り目を入れるための道具として、必ずしもカッターを使う必要はありません。
例えば、「紙のからくり カミカラ」という本を出版されている中村開己さんの本を見ますと、「鉄筆」や「インクのでないボールペン」を利用するようにと説明されています。
カッターナイフを使う場合でも、必要以上の深さに切らないように、カッターの刃を反対向けにして、刃先の刃がついていない方を使って切り筋を入れるという方法もあります。(刃全体の背中側ではなく、刃先部分の背中側)
なお、このサイトの作品では、多くのものについて表ライナー側が外にくるように山折りにします。
従って、この表ライナー側が見える側にきますので、切り目や切り筋は裏ライナー側のみに入れたほうがきれいです。
折り目を前後に折り、きっちりと折り筋をつける
浅い切り目を入れたら、定規を当てて、まず切り筋が山側になるように丁寧におりましょう。
適切に切り筋が入っていると、比較的簡単に、かつきれいに折り曲げることができるはずです。
そののち、折り曲げたい方向に、きっちりと折り曲げます。
これで、きれいに折り目をつけることができます。