ダンボール工作で作品を作るときには、設計図を書いておくとよいです。
以下のツィート:
ダンボール工作で作品を作るときは、
雑でもいいので、設計図を書いておくといいです。
私など、図の縮尺も適当ですし、作りながらあちこち計算し直したりもするので、とても図面とはいえないものですが、こんなのでも充分です。
ただし、段目の方向を書いておくことは大事です。 pic.twitter.com/JAae8iI8xL
— ダンボールの庭 (@maruzo_cardbd) July 8, 2020
で書きましたが、この記事で少しまとめておきます。
目次
設計図を書く目的とメリット
ダンボール工作で、設計図など書かずに、思いつくままにに形を作っていくということもよくあります。
もちろん私もよくありますし、人それぞれに考え方があるでしょう。
では、ダンボール工作で設計図を書く場合、その目的は何でしょうか?
私の場合、一言でいうと「各工程の作業に集中するため」です。
私もこれまで、設計図など書かずに思いつくまま罫書きをして、切って貼って…とやっていました。
ですが、これは「寸法を取る」、「カッターで切断する」、「木工ボンドで貼り付ける」の各工程をいったりきたりすることになるので、どうも疲れるんですね。時間も必要以上にかかります。
ですので、最初に「この作品の部品構成はこう」、「ダンボール板から部品どりをするのはこう」、とやっておいてから、カッターで切断する工程、木工ボンドで組み立てる工程と、ある程度工程を分けてやる方が、私には合っていました。
もちろん複雑な作品を作る場合は最初からすべてを見切ることは難しいですが、このサイトで紹介する作品の規模であれば、試行錯誤することはありますけれど、さほど難しくはありません。
さて、一言でいうとこうなのですが、もう少し目的を具体的に考えてみると、以下のような点があげられます。
- 部品取りの検討をつけるため
- 段目の方向を間違わないようにするため
- 2回目に同じものを作る時の検討の節約のため
1.の部品どりの検討をつけるためというのは、前述の通りです。
必要な部品を洗い出し、1枚のダンボール板からどう切り出すかの検討を最初に立てておくと、材料の節約にもなります。
2.の点も、とても重要です。ダンボール板は段目の方向によって強度が変わってきます。作品を構成するパーツのそれぞれが、どの方向の段目をもつようにするかを考え、部品取りをするときにその方向を間違わずに罫書きします。
きちんと図に書いておくと、間違いにくくなります。
3.は、私の場合、同じ作品を2回,3回と作ることがあるので、その記録のためということです。
要点を一度図に書いておくと、2回目以降に制作するときにはとても楽になります。
設計図を書く用紙や手段は?
では、設計図を書く時の用紙や、そもそもの手段はどうでしょうか?
設計図といえばCAD。もちろんPCを使って取り組むのもよいでしょう。
しかし、「ちょっと工作をする程度なのに、わざわざPCで書いてプリンタで印刷して…というのはちょっと面倒だ」という方もおられるでしょう。
私は、紙と鉛筆で十分だと思います。
普段は、A3かB4くらいの大きめの方眼紙に書いています。枚数的には1枚〜2枚くらいでしょうか。
鉛筆は、シャープペンでももちろんかまいません。計算を間違えたり設計変更することはよくあるので、書いたところを消せるものがいいです。フリクションでももちろんOKです。
ライフ、オキナ、マルマンなどの有名なメーカーから、書き心地のよい方眼紙がたくさん売られていて、入手も容易です。
手元に置いておけば、いつでもさっと書けますし、保存しておけば参照するのも容易でしょう。
試しに是非使ってみてください。
何を書くか?自分に必要な情報を優先的に書き出す
では具体的に何を設計図に書けばよいでしょうか?
なにも専門的に正しい設計図を書く必要はありません。
大事な点は、正しい設計図を仕上げることではなく、上述した目的のために
- 自分にとって必要な情報を書き出しておくこと
です。
設計図を書くこと自体が目的ではなく、これを手段として自分に必要な情報を書き出しておくことがポイントです。
正しい図面の形式にこだわる必要はありません。他の誰かに見せるわけではないので、自分が読んでわかればよいのです。
縦横の縮尺比も特に気にしません。計算が大変で面倒になります。なるべく簡単に短時間で書き、継続できるレベルに留めておくことがコツです。
私の場合、以下の点を書き出しておくことにしています。
- 各パーツの縦横の長さ
- 各パーツの段目の方向
- 表ライナーの加工の形状
- 溝を掘る位置
- 1枚のダンボール板から部品どりするときの配置図
- 全体の完成図のイメージ
各パーツの縦横の長さ
各パーツの縦横の長さは必ず必要です。
ミリ単位でもセンチ単位でもかまいませんが、自分でも間違わないように図面全体で統一しておきます。
各パーツの段目の方向
2.の各パーツの段目の方向も必須の情報です。
ダンボールは段目の方向によって強度が変わってきます。
最初はわからないかもしれませんが、慣れてくるとどちらの目の方向を使うのかを考えて作品を作るようになります。
この情報はとても大事ですので、必ず書いておきましょう。
表ライナーの加工の形状
表ライナーの加工の形状は、私にとってはとても重要です。
表ライナーを加工して切り口を包む処理をする場合には、この設計図に切り方を書いておきます。
重なり具合が少しややこしくなることがあり、カットの形状を間違えやすいので、この図に書いておくことにしています。
溝を掘る位置
溝を掘る位置は、箱の底板や間仕切りを組むときには必要な情報になります。
挿し込むダンボールによって溝の幅も変わるので、これも書いておきます。
1枚のダンボール板から部品どりするときの配置図
1枚のダンボール板から部品どりするときの配置図は、ダンボール板から無駄なく部品をとるための重要な情報となります。
他にも、特に同じ長さや幅の部品を複数取るときには、同じ寸法どうし、できるだけ並べて取るようにすると、切断が1回でできるのでスムーズに作業ができます。
全体の完成図のイメージ
最後に、全体の完成図のイメージを書いておきましょう。スケッチでも落書きのようなものでもかまいません。
私など下手くそで、とても人に見せられる絵ではありませんが、一応書きこんでいます。
これだけの情報でも、設計図を書いておいてから作業に入ると、作業がスムーズに進みます。
また、少し日をあけてから2つ目を作るときにも、重宝します。
是非試してみてください。