ダンボール工作で、ある基準面に対して垂直な線(垂線)を引くことはたくさんあります。
三角定規や指金を使ってもよいのですが、この記事ではスコヤという道具をとりあげます。
スコヤは妻手に厚みがあることが特長で、このおかげで長手を部材にピッタリ当てることができます。
垂線をたくさん引かなければならないときに、作業の効率が大幅に上がります。
ここではそのスコヤを簡単に作る方法を紹介します。
是非1つ手元において活用してください。
目次
スコヤとは
スコヤは、木工や金属加工において、基準面に対して直角の確認や垂線を罫書くために使用される道具です。
同じような働きをする工具に指金がありますが、スコヤには妻手(短い方の辺)に厚みがあり、部材をそこに容易に引っ掛けることができる点に大きな特長があります。
これにより部材の基準面にこの妻手を当てると、スコヤの長手(長い方の辺)が部材にピッタリと当てることができ、罫書きがとても楽にできるのです。
指金を使ったことがないと、ちょっとわかりにくいかもしれません。
さて、このスコヤですが、ダンボール工作にも活用できます。
このサイトではダンボール板に5mm厚のAフルートを主に使っていますが、この厚みにスコヤの妻手が十分に引っ掛かりますので、基準面に対して垂線を引くのがとても楽にできます。
もちろん、部材同士を直角に貼り合わせるときにも、スコヤを当てれば直角の具合が簡単にわかります。
ただ、木工や金属加工用に市販されているスコヤは金属製のものが多く、ダンボール工作にはちょっと重くて使いづらいかもしれません。部材に当てる時にキズをつけてしまうこともあります。
また妻手の厚みが5mm以上あると、Aフルートの厚みを超えてしまうので、かえって使いにくくなります。
スコヤを作る
そこで、三角定規や直定規を使って、ダンボール工作でも使える簡易的なスコヤを自作してみましょう。
材料費も安く、なんといっても自分の好みの大きさのものを作ることができますので、罫書きの作業効率がぐっとあがります。
三角定規でスコヤを作る
まず、三角定規を使ってスコヤを作る方法です。
これは、以下の記事:
でも書いたものです。
まず100円ショップなどで三角定規を仕入れます。厚さは2mmのものを使用しました。大きさはご自身の作る作品の大きさを考慮して決めるとよいでしょう。
次にホームセンターなどで、厚さ2mm〜3mm、幅8mm〜10mmの細い木材を一本仕入れます。
そのサイトでは主に5mm厚のAフルートを使用しますので、ここで仕入れる木材は上記のものがいいです。ここでは厚さ2mm、幅10mm、長さ910mmの木材を選びました。後述するように、木材を3枚重ねにして作る場合は、この木材の厚さと三角定規の厚さとを合わせておきます。
作り方ですが、基本的にはこの木材を適切な長さに切り、三角定規の直角の隅を挟む辺の一片に貼り付けるだけです。
三角定規の両面に貼り付けるので、木材は最低2枚(この記事の例では3枚)必要です。
使用する木材の長さは貼り付ける辺の長さに合わせます。
冒頭の写真を再掲しますが、これは30度、60度の角をもつ方の三角定規を使用した例です。
長手方向に長い辺がくるように木材を貼り付けます。
木材を適切な長さに切り、両面テープで貼り付けます。貼り付ける辺にピッタリ合わせます。もう一つの三角定規を使って、直角を出してもよいです。
90度の角のところは、三角定規の直角を活用するために、木材部分がはみ出ないようにしておきます。
また、この製作では、妻手部分を三角定規より長く作ってあります。
基準面に接する部分の長さを長く取るほど、直角の精度が出るからです。
このように作る場合、以下の写真のように、木材は3枚必要になります。
三角定規の辺より下の部分は、2mm厚の木材が3枚分で構成されています。
私はさらに、木材部分に穴を空けて、竹ひごで作ったピンを差し込んでいます。これは木材がズレることを防ぐためです。作業ができそうであればやってみてください。
直定規でスコヤを作る
直定規でスコヤを作ってみるのもよいです。
通常のスコヤのように、物の角の外側からも直角を調べることができます。
すべて木材で作る
もちろんすべてを木材で作ることもできます。
実際、木工をやる人は、木工の練習を兼ねて、このスコヤを自作することが多いです。
以下の写真は、木工用に私が自作したものです。
これは長手が20cmのもので、軽くて手に馴染み、使いやすいスコヤです。
ただし、すべて木でつくると、木材の特性で直角の具合が狂ってくることがあります。
その場合は鉋で削ったり、あるいは作りなおすことになります。
これはダンボール工作の話からはずれますので、詳細は省略します。
使い方
スコヤの使い方のポイントは、やはり妻手を部材にしっかり密着させることです。
ただし、ダンボール板は、特に紙巾方向の切断面が少し弱いので、力を加減して密着させます。
そして、スコヤの長手の辺を使って、罫書きます。
もちろん、カッターの刃を長手に当てて、カットすることもできます。
幅がそれほど広くない部材で、基準面に垂直にたくさん罫書きをしたり、あるいはカットするときには大変便利です。
なぜなら、基準面付近に印を付けるだけで、垂線が引けるからです。
カットするときも、一つづつ定規を当ててカットするより、正確にカットできるでしょう。
是非一つ作って、活用してみてください。