ダンボール工作:ダンボール板の切り口を処理するための治具

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ダンボール板の切り口を処理する方法の1つとして、次の記事を書きました。

ダンボール板を使った工作で作品を作ると、見栄えの面で切断面(切り口)が気になることがあります。...

最近はこの方法をよく使いますが、やはり手間がかかります。

同じ寸法で切り込みを入れたり表ライナーを剥がしたりするので、工夫して治具を作っておきたいところです。

この記事では、Wフルート(8mm厚)のダンボール板の切り口から一定の幅の位置に、表ライナーを残しながら切り込みを入れる治具と道具について書きます。

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表ライナーだけを残して切り込みを入れる

表ライナーだけを残して切り込みを入れる目的は、先ほど引用した記事に書いた通り、残した表ライナーで切り口を包むことです。

しかし、この作業、一回や二回くらいならよいのですが、たくさん処理し始めると、結構失敗します。

表ライナーまで切り込んでしまうのです。

そこで、このような治具を用意します。



構造は至ってシンプルで、木の板の下端と右端に厚さ9mm、幅18mmの角棒をガイドとして取り付けただけです。

台の大きさは縦30cm x 横24cm です。ホームセンターにはちょうどよい大きさの板がなかったので、長さ60cm x 幅12cm x 厚さ12mmの栂材を買ってきて長さ方向に半分に切り、横に矧ぎ合わせています(いも矧ぎ)。

右側のガイドは、台板の縦辺にぴったり沿うようにくっつけてもよいのですが、ここでは5mmほど外に出るようにしてくっつけました。



これは、ガイドが削れたりして狂いが生じた時に、鉋で修正が少しでも容易にできるようにするためです。

もちろん、台ごと削れるくらいの腕があれば、ぴったりくっつけても構いません。

ガイドの下辺の方には、細い溝が掘ってありますが、これは後で述べる毛引きの刃が下の方に逃げられるようにするためです。

ただ、これは結果的にはあまり必要ありませんでした。右辺のガイドだけで十分に機能します。

使う道具は毛引き(罫引き)

さて、この治具を作業台にしますが、これに組み合わせて使う道具は毛引き(罫引き)です。



毛引きは、木工をするときには、なくてはならないくらい大事な道具です。

横に伸びる”竿”の部分を毛引きの台にネジや楔で一旦固定したら、竿に取り付けられた刃を使って、台から同じ幅で何度でも罫書きができます。

この記事では、通常の毛引きの使い方に比べて、刃を多く出して使用するので、刃を入れる竿の穴の部分を彫刻刀で削り、穴を少し広げるように仕立てています。

毛引きは普通はネジ式が使いやすのですが、今回はダンボール工作のためにこのような仕立てをするので、写真のようなホームセンターで手に入る安価なものをまず試しに使ってみました。

使い方

使い方は簡単で、Wフルートの部材を右側のガイドにあて、毛引きで切り込みを入れるだけです。



毛引きの竿の長さは、切り込みを入れたい線にぴったり合うように事前に調節します。

さらに、毛引きの刃は表ライナーをぎりぎり残すところを走るように、刃の出具合を事前に調節します。

表ライナーは0.2mm厚程度ありますので、これが残るようにします。

毛引きの竿が、ガイドの上面から離れないように注意シながら沿わせて移動させます。

しかし、いきなり8mm厚のWフルートをこの切り方で切り込むと、切り口が雑になるかもしれません。

そこで、以下のようにカッターを併用します。

まず、Wフルートの部材の端から、必要な寸法のところに普段通りに罫書線を入れます。

罫書線は裏ライナー側に書きます。

そして、カッターでその線に沿って裏ライナー側から切り込みを入れます。深さは中芯のライナーあたりまでです。

この切り込み線に従って、Wライナーの5mm厚の方(裏ライナーおよび中芯の5mm側の方)を剥がします。

次に、この剥がした辺を今回作った治具の右側のガイドに当てます。

必要であれば、下辺のガイドにも当てるとよいですが、右側ガイドだけでも十分かもしれません。

そして、毛引きで残りの3mm厚の部分に切り込みを入れます。

毛引きで切り込みを入れたら、残った3mm厚の部分をこの切り込み線に従って剥がします。

これで完成です。

ちょっと慣れが必要ですし、きれいに切るためには毛引きの刃をきちんと研ぐ必要がありますが、この治具を使うことで、ダンボール板の切り口の処理をする時間が削減されると思います。

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