2枚のダンボール板を接ぐ方法について、以下の記事で書きました。
今回は、ダンボール板のつなぎ目を、木工で使われる「留め接ぎ」のような仕上がりにする方法について書きます。
目次
「留め接ぎ」とは
留め接ぎとは、2枚の木の板の木口を45度に削り、その削り面どうしをつなげる接ぎ方です。
木口を外から見えなくなるように接ぐことで、接合部分をきれいに見せることができます。
留め接ぎには、さらにいろいろな方法があります。
単に45度の面で接合するだけでは、強度の面で平接ぎと変わりませんが、この接合面に木組みとしての細工を仕込むことによって、接合部分の強度を上げるのです。
ダンボール板の継ぎ目を「留め継ぎ」風に仕上げる
ダンボールという素材は、2枚のライナーの間に空洞部分が多いので、切り口を45度に切ってつなげるというのは基本的に難しいです。
もちろん、「留形隠し蟻組み接ぎで」というわけにはいきません。
それなりの道具を使えば、45度のカットはやれないことはないようですが、必要以上に加工の手間がかかったり、十分な強度が保てなかったりします。
そこで、ここではもっと簡単な別の方法を考えます。
それは、接合自体は平継ぎのように継ぎ、表ライナーを加工することで、見た目に留め継ぎ風に仕上げるというものです。
以下の説明で、ダンボール板は、ここではWフルートを使用しますが、Aフルートなどでも同じです。
まず、2枚のダンボール板に、図1のように罫書き線をいれます。
罫書き線の位置は、2枚とも、写真の向きで上下に各15mm、右側は8mmの幅の位置です。
図1
今回はサンプルということで、図1の2枚とも部材の左側は加工していません。
次に、罫書き線に沿ってカッターで切り目を入れ、図2のように表ライナーだけ残して裏ライナーと中芯の部分を剥がします。
図2
上下各15mmというのは、Wフルートの厚みを8mm、のりしろを7mmとっているからです。この写真では上下方向が紙幅方向です。
剥がす作業には、先が細いピンセットを使います。必要以上に剥がれないように、丁寧にはがします。
剥がしたら、次の図3のように表ライナーを加工します。
図3
図3ように、まず2枚の部材の上下折り曲げます。表ライナーの真ん中あたりに折り目が入っていますが、上端及び下端からそれぞれ7mmの幅(のりしろ幅)で折り曲げています。
両部材の右端は、上の部材と下の部材で表ライナーの加工の仕方が異なっていますが、この表ライナーの加工の仕方がポイントです。
留め継ぎ風にするために、下の部材の表ライナーの斜めに切った部分を、もう一方の部材とのつなぎ部分にかぶせます。
さらに、この加工によって、角の部分につなぎ目をもってこれるようになっています。
図4
そして図4のように、この2枚の部材を接合します。表ライナーとダンボールの切り口とに木工ボンドを塗り、ぴったりと貼り合わせます。
表ライナーを斜めに切っているところが、接合する相手側の表ライナーの上に重なることになりますが、この部分が留め継ぎのような仕上がりに見えるわけです。
図4のように、2枚のダンボール板のつなぎ目の部分がすっきりと仕上がります。
また、角の部分で表ライナー同士が接着されていることもあって、少し強度も上がります。
2枚のダンボール板を端で接合する方法についていくつか試してみましたが、今回のこの接ぎ方が仕上がりが一番よさそうです。